全校集会

 生徒会から目安箱の意見を発表。各先生から回答ををいただきました。
 給食委員会からは来週の「給食週間」について説明がありました。
 
 
 
 
  

 
               校長講話「釜石の奇跡」
 

 今週1月17日、6400名の犠牲者を出した阪神淡路大震災からまる17年を迎えました。皆さんが生まれる前のこととはいえ、私にはついこの間のことのように思えます。
 そして、皆さんも忘れられない昨年3月に起こった東日本大震災は2万人という犠牲者を出しました。
 そのとき津波で壊滅的な被害を受けた釜石市で、小中学生2921名が津波から逃れました。学校にいなかった5人が犠牲となりましたが、99.8%の生存率は「釜石の奇跡」と言われています。
 3月11日、釜石東中の生徒たちは地震後すぐ、「津波が来るぞ」と叫びながら避難場所へと走りました。隣の小学校では、屋上に避難しようとした児童たちが、逃げる中学生を見て後を追いました。避難場所の介護施設に着いた子どもたちは「ここも危ない」と判断し、さらに高台へと急ぎます。中学生たちは小学生の手を引き、介護施設のお年寄りに手を貸しました。津波はまもなく介護施設にも到着、間一髪でした。
 実は釜石市の小中学校では徹底した防災教育が行われていました。小中学生合同の避難訓練はもちろん、6年生の算数の授業では、「津波は秒速○㍍です。海岸から□㍍離れたAくんの家まで、津波は何秒で来ますか」など。
 そして、その防災教育の根本的な教えは
「想定に縛られず、自分の命は自分で守れ」でした。
  ○自然の振る舞いに想定内はあり得ない。想定に頼れば想定外の事態に対応できなくなる。ハザードマップも「信じるな」。
  ○どこで、どんな津波が来るか分からない。津波が襲来したら、できることをやるしかない。 
  ○一生懸命逃げる姿が周囲の命も助ける。
 さらに、子どもたちは家でこんな会話をさせられたと言います。
  「僕は絶対に逃げる。信じて。だからお母さんも安心して逃げて。」
 これが「釜石の奇跡」の真相です。

 もう分かってくれましたね。そうです。世の中に「奇跡」や「幸運」なんてないのです。
その裏には必ず、人間の「営み」があります。奇跡=軌跡なのです。
 釜石の子どもたちに心から拍手を送りたいと思います。