第50回「卒業証書授与式」

  祝 第50回卒業式

第50期生224名がそれぞれの思い出と夢を胸に抱き本校を巣立ちました。卒業おめでとう!
 
 
 
 


               第50回卒業式 学校長式辞 
 ここ大阪が何年ぶりかの銀世界に覆われるという厳しい冬が終わり、校庭の木々や草花、そして大地に春の息吹きと躍動を確かに感じることができます。

そのような中、
 本校『2010年(平成22年)度卒業証書授与式』を今日、このように迎えられましたことを皆様とともにお喜び申し上げます。
 また、本日は和泉市教育委員会の山本様、PTA会長の杉本様をはじめ、ご来賓の皆様、並びに保護者の方々には公私ご多用のところ、本式にご臨席を賜り、卒業生の晴れの舞台に、花を添えていただきました。
 心より厚くお礼申し上げます。ありがとうございます。

 さて、224名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。
 先ほど、皆さん一人一人に卒業証書をお渡ししました。
皆さんが手にしたその卒業証書は、中学校三年間で、やるべきことをなしとげたという証明となるものです。
と同時に、九年間の義務教育を終え、いよいよこれからは、それぞれが違う進路に向かって新しく出発するための切符となる卒業証書でもあります。
今日は、そのような大きな節目を迎えた自分をあらためて見つめ直して下さい。
体も、そして心も、見違えるほど大きく成長しました。しかし、忘れないで下さい。
そんな皆さんをこれまで支えてくれたたくさんの人がいたことを・・・。
今日は家族をはじめ、自分を応援してくれた、いや、これからもお世話になるであろう人たちに心から感謝する日でもあってほしいと思います。
 
 私は皆さんとは二年間、この石尾中学校でともに過ごしてきました。この間、皆さんは様々な場面で精一杯その力を発揮し、私たちに多くの感動を与えてくれました。とりわけ最上級生として取り組んだ昨年体育大会での「組立て体操」と「創作ダンス」は、今も忘れることができません。

 そんな中で、私個人として心に残っているものがあります。
それは、受験を控えた皆さんと行った「面接練習」です。
皆さんにとっては緊張する嫌な時間だったと思いますが、私にとっては皆さん一人一人と向かい合える楽しみな時間でもありました。「中学校での一番の思い出は?」「将来の夢は?」の問いに様々な答が返ってきて、ほほえましくもありました。
全員にこんな質問をしました。
「自分のいいところを一つあげるとすれば、何ですか?」
皆さんの答でいちばん多かったのは、「人にやさしいところです」でした。
石尾の子どもたちの素晴らしさはこの「やさしさ」ではないでしょうか。これからも引き続き「石尾の心」として大切にしてほしいと思います。
 
 皆さんが生まれた平成七年度は、その年一月の阪神淡路大震災の傷跡を残しながら、人々がたくましくその再生に立ち上がった年です。築き上げたものが一瞬にして崩壊するはかなさの中で助け合うことの大切さをみんなが実感した年でもありました。
以来15年、世の中はめまぐるしく移り変り、世界的不況の影響で、働きたくても働けない就職難、メールやネットでしか人とのつながりを感じることができない孤立感の中で、生きる幸せや目標を見失いつつある若者が増え、世界各地では未だに戦争や紛争が絶えません。
21世紀を担う皆さんには、希望に満ちた平和な世の中をぜひ創造していってほしいと思います。

 石尾中学校は来年度、創立50周年を迎えます。
舞台の上にある石尾中学校の校旗は半世紀にわたり15862名の卒業生を送り出し、本日をもってその役目を終え、四月からは新しい校旗がそれに代わります。
多くの先輩たちがこの校旗に見守られ、それぞれの夢を抱きながらこの石尾中学校を巣立っていきました。
 私は、教育とは子どもたちに夢をもたせることだと思っています。
夢を追いかけ、夢中になってする努力は、時には不可能なことを可能にしてくれることがあります。たとえ結果が出なくても、一つのことを続けることは、自分への自信になり、その自信が、より大きな夢へとつながっていくのです。
  夢を実現できる人は数少ないかもしれません。しかし、夢を追いかけた者しか、夢を実現することができないことも確かです。
 卒業後、いろいろな人との出会い、さまざまな経験を通して、ぜひ皆さんには、自分の夢や夢中になれるものを見つけてほしいと願っています。
『心に夢』、この言葉を卒業にあたり、最後に皆さんに贈りたいと思います。がんばってください。

 結びになりましたが、保護者の皆さま、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。
本日このように、子どもたちが立派に卒業できますのは、保護者の皆様方がいつも温かい目で見守ってきてくださったお陰にほかなりません。
 15年間の子育て、決して、嬉しい・楽しいことばかりではなかったことでしょう。
これからも、子どもたちは思い悩みながら大人に近づいていきます。
 どうか、今後とも引き続いて、子どもたちの心の支えになっていただきたいと思います。
石尾中学校への三年間にわたるご支援・ご協力、本当にありがとうございました。
            
 それでは、卒業生のみなさん
 この石尾中学校での数々の思い出を胸に、夢に向かって大きく羽ばたいていってください。
 皆さんの未来が、素晴らしいものになることを心からお祈りしまして、私の式辞とします。



 2011年(平成23年)3月11日
   和泉市立石尾中学校 校長  森 俊二